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突然電車に飛び乗る。どこに行くか分からないこの電車、海まで行くのかな…なんてドラマティックなことはない。普通の路面電車。どこまで乗っても100円で、路線は三つだけ。シンプル過ぎてドラマなど何もない。でもこの「突然」という行動にドラマ以上の何かを期待する。とはいっても、友達の家に行くのに電車で行くか、車で行くか悩んだ結果たまたま電車が通っていたから乗っただけ。意外ともっもらしい突然ってないものだ。思い立って気になる洋服屋さんのある駅で降りようとする。でも歩くには4駅ある。時間も微妙。大人しく本を広げて待ち合わせの駅まで乗っていく。降り立った駅でぼんやり「突然」という言葉の魔力について考える。いつだって突然思い立って何かをしたくなる。この言葉には人の心を突き動かして、気分を高揚させる力があるのか。こうやって突然電車に乗ったり、昔好きだった人に電話したり、入ったことのない店に入ったり、人は毎日小さなドラマと奇跡を待っている。でもそれがそんなドラマでも何でもないことも知っている。突然プレゼントを貰う、突然キスされる、突然好きだと告白する、突然、突然、突然。甘い突然の衝撃を思い出してピンク色の息をはぁと吐き出す。うーん、突然ってやっぱりいい。恋愛と突然って一種の相乗効果をもたらす。これも突然の魔力の効能なのか。人は毎日突然という行動に小さなドラマと喜びを探してる。なぜだろう。わかんない。でも今も突然このことについて書き出したくなってる。理由はわからない。でも突然って何だか好きなのだ。とっても。